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はやく真人間になりたいよぅ(仮)

ゆるミニマリストの元ヒキニートが真人間になるためのブログ@oekakids

自分を全肯定することが人間の努力の目標である。

わたしが、この「心の落着きについて」というエッセイで一番力づけられたのは、セネカがここでは何度も、人が安らかで落ち着いた心を持つに一番必要なものとして、自分自身に対する信頼を持つようになれ、自分自身を楽しめるようになれ、とそれを何よりも強調していることだった。わたし自身も七十八年を生きてきて結局達したのは、自分の全部を受け入れ、自分を全肯定することが、あらゆる人間の努力の目標だ、ということだった。

(中略)

宗教が、とくに禅が究極の目的とする悟りというのは、そういうことであろうとわたしは想像している。

  そしてその反対が自己への不信、自己への不満だ。自分というものが信じきれないと、していることに自信が生じず、人にああ言われちゃこう直し、こう言われちゃあっちへ向きで、そんなふうに年中自分を変えていては、とうてい自分を肯定するに至らない。セネカが最も非難するのもそういう、年中することがころころ変わっているような連中なのである。(p218-219)

 

『ローマの哲人 セネカの言葉』

中野孝次岩波書店,2003)