はやく真人間になりたいよぅ(仮)

ゆるミニマリストの元ヒキニートが真人間になるためのブログ@oekakids

自分の外にあるものに目をくらまされて事を企てるのが、失敗の原因なのだ。

どうして人はそういう心の落着きへ達せられず、落ち着いた心を維持できないのか?

 

それにはいろいろな心の弱さ、性格の弱点、様々な欠点があるけれども、それらは結局のところ自分自身と一つになれぬこと、自分を信じきれぬこと、自分への不満が原因なのだ。

 

では、どうしてそういうことになるのか?

 

それは君が、自分の心の要求は何かをしっかり見定め、そこから発した目標、仕事を、よくよく研究し、確かめ、決意し、企てたことをやりぬこうとするのでなく、世間の人のすることや、流行や、人目をひくもの、華やかなものなどに気を引かれて、あれもいいな、これもやってみたいなどと、あっちこっちに手を出す。そして、あれをやっては失敗し、なぜこんなことを企てたのかと後悔し、また新たに別のものにとびつく。

 

つまり、自分の内心の要求から発して、やろうと決意したことをやるのでなく、自分の外にあるものに目をくらまされて事を企てるのが、失敗の原因なのだ。しかも、あらかじめ十分な研究と計画を練っておかず、絶対にやりぬくだけの堅い決心と忍耐力と意志を欠いているために、何をやってもうまくいかないのだ。

 

この繰返しのうちに自信を失い、自己嫌悪に陥る。焦燥と、無気力状態、不安と落着きのなさの同居という、最悪の状態に陥ってしまう。(p214-215)

 

『ローマの哲人 セネカの言葉』

中野孝次岩波書店,2003)