わたしにとっては一人が大衆であり、大衆とは一人である。
――デモクリトス
わたしには少数者で十分だ。一人で十分だ。誰もいなくても十分だ。
――無名氏
わたしはこれを多数者のために書くのではない、一人のために書くのだ。
なぜなら我々二人は、一人がもう一人にとってすでに十分な数の大衆だから。
――エピクロス
これらを、ルキリウス君、君の胸にしまっておきたまえ。
君が大衆の賛同から生じる満足感を軽蔑できるように。
「手紙」7-10・11
大衆の喝采は物事の正しさの証明にはならない。
正とか善とか美という問題については、数の多少は判定者にならない。
一人の正しく見る目があれば十分なのだ。(p90)
『ローマの哲人 セネカの言葉』