「人事は棺(かん)を蓋(おお)うに至って、而(しか)る後に子女玉帛(しぎょくぎょくはく)の無益なるを知る」(『菜根譚』)ということばがある。
人間のやる事は、棺おけのふたをする時になって、子供や財宝がなんの役にもたたないことがわかるのだ。
死んで金や子供をもってゆけるものではない。(p136)
『禅とはなにか』
(鎌田茂雄,講談社学術文庫,1979)
たくさんの財産を築いても,それをあの世には持っていけない。
今際の際,死に物狂いで築いた財産もゴミのように思えるのではないだろうか。
今際の際に残るのは思い出だけ。
それすらもあの世に持っていけないのだけれども(私見です)。