はやく真人間になりたいよぅ(仮)

ゆるミニマリストの元ヒキニートが真人間になるためのブログ@oekakids

自分を肯定できるということが、幸福には欠かせない条件なのだ。

 自分を肯定できるということが、幸福には欠かせない条件なのだ。自分を受け入れ(人はそれぞれ違う能力や肉体や容貌や精神を与えられて生まれてくるが)、自分の醜さや、短い足や、病弱なからだや、そういうものすべてを受け入れ、認め、肯定し、愛するに至る。そこまでに自分を訓練して持ってゆくのが幸福になるということだ、とセネカは言うのである。

 

 それに対し、自分を受け入れることができず、自分に絶えず不満を持ち、自分にないものを求め、得られなければいらいらし、他人にも悪しくあたるような心の持ち主を、不幸な人間と呼ぶのだ。自分を受け入れ、肯定できないで幸福に至ることはできない。

 

(中略)

 

 そしてそうなるのを妨げる最大の原因は、心がつねに外に向かい、外に依存し、外なる価値(人の評判とか賞賛とか、金のあるなしとか、美醜に誇ったり悩んだりすることとか)に気持を動かされて、それをはげしく欲し、動揺しつづけることだ、とセネカは言う。(p196-197)

 

『ローマの哲人 セネカの言葉』

中野孝次岩波書店,2003)

 

セネカの言うことは大体同じで,それを釈迦の説法のように,いろいろな表現をつかって説明している。