現在では、知ることは、自分とまったく無関係の
出来事になったのではないか。
(中略)
技法とはノウハウです。
どういうふうに知識を手に入れるか、どうそれを利用するか。
そういうものに知識が変わってきたんだな、と思った。
知ることが自分にかかわりのあるものではなくなって、
まったく自分に害のないものになったわけです。
(中略)
癌の告知を例に考えるとよくわかるように、
知るということは自分が変わることでもあります。
多かれ少なかれ、自分が変わるということです。
自分が変わるとはどういうことかというと、
それ以前の自分が、部分的にせよ死んで、
生まれ変わっているということです。
(中略)
本来、知とはそういうものであったはずです。
『論語』に書いてある通りです。
学問には、しばしば害がある。
(中略)
しかし現代では、ご存知のように、よくいえば教育が普及しました。
それと同時に知というものは非常に安全化していきます。
安全化せざるを得ないわけですが、そうすると、
いまのようなことが起こってくる。
すなわち、知というものが、自分自身と分離してくる。
自分と分離した知は、おもしろくない。これは当たり前です。
だからいまの学生は、勉強するのがおもしろくないといいます。
自分に何のかかわりもないことをやらされていると。
(p85-87)
『自分は死なないと思っているヒトへ : 知の毒』
(養老孟司,大和書房,2006)
知というものは,自分に引き寄せて考えないと
つまらないですよね。
すこし話はズレるかもしれないですけど,
生きるのがつまらない人は,
物事を他人事のように考えているのかもしれません
――オイラにも,そういう傾向があります。
なので,物事を自分に引き寄せて考え,
能動的に行動すると,ちこっとは生きるのが面白くなるかもしれません
――保証はしませんけどね(汗)。
教訓:
物事を自分に引き寄せて考える。
そのほうが面白いYO!